阿蘇五岳(ごがく)の1つである中岳(なかだけ)は、そのエメラルドグリーンが少し白濁したような色の火口から、水蒸気をモクモクと吐き出しています。


『阿蘇の中岳の火口 ☆ 姿が変わる神様』


これは火口に雨水がたまってできた“湯だまり”から出ているわけですが、火山ガスも出ていますので、風向きによっては火口の立ち入り規制が行われます。

喘息などはないかという確認が火口に入る有料道路の入り口で行われますが、呼吸器や心臓に特に問題ない方でも、ハンカチで口や鼻を抑える準備は必須ですね。



ところで、この中岳の火口は、古来より神の住まう「神霊池(しんれいいけ)」として敬われてきました。

阿蘇の開拓神である健磐龍命(タケイワタツノミコト)が中岳の火口を、神の宮とされているとして信仰されてきたんですね。

7世紀の日本の様子を記している中国の歴史書である『隋書倭国伝(ずいしょわこくでん)』の中に、阿蘇山が出てきます。

それには、人々は噴火する阿蘇山を畏れて祀っているという内容があります。

また、この隋書に出てくる山としては、唯一阿蘇山のみだそうで、古くから中国にも知られていた山だったんですね。

隋書が書かれたのは600年代の前~中期ごろですから、今から少なくとも約1400年前には阿蘇山の祭礼が行われていたということになりますね☆

平安時代初期には神霊池に何か異変がある時、例えば火山活動が活発になったり、火口の湯だまりが増えたり減ったり、あるいは涸れたりなどの変化ある時は、大宰府(だざいふ)を通じて朝廷に報告され、各地の社寺に国家安泰(こっかあんたい)のための祈祷の命が下されたと言われています。

神霊池の異変は、飢饉や疫病が生じる良くない兆しとみなされてきたんですね。


『阿蘇の中岳の火口 ☆ 姿が変わる神様』


火口へ導くロープウェイ乗り場(現在は運休中で代わりにバスが運行)の奥に「阿蘇山上神社」があり、現代も「火口鎮祭」が阿蘇山上で行われています↓↓



また隋書に戻って、夜に光る鶏卵大の青い色をした”如意宝珠(にょいほうじゅ)”が阿蘇山にはあるとも書かれています。

如意宝珠はあらゆる願いを叶えると言われるものですが、例えば如意輪観音様が手に持っておられる宝珠がそうですね


『阿蘇の中岳の火口 ☆ 姿が変わる神様』


また龍が手に持っているのも如意宝珠ですねキラキラ

それから竹取物語の中で、ある貴公子に龍の首にある宝珠を取ってくれば一緒になりますとかぐや姫が注文をつけていますが、龍と宝珠とは昔からつながりが深いようですね。

阿蘇山にある如意宝珠というのがとても気になりますが、阿蘇山と龍とは関わりが深いですから、そういう意味では如意宝珠の話が出てくるのも不思議ではないのかもしれません。

健磐龍命(タケイワタツノミコト)のお名前の中に、すでに龍が潜んでいますし、阿蘇の神様が龍の姿に変化(へんげ)されるという伝説も残っています。

その一つに加賀の白山を開いた高僧である泰澄(たいちょう)と阿蘇の龍にまつわる話が、平安時代後期に大江匡房(おおえまさふさ)によって書かれた「本朝神仙伝(ほんちょうしんせんでん)」の中に収められています。

『阿蘇の中岳の火口 ☆ 姿が変わる神様』


泰澄が阿蘇を詣でた折、神霊池の上に九頭龍王が現れたと言います。

そこで泰澄が真実の姿を示すように言うと、その九頭龍王は金色の三尺の千手観音として現れたそうです。

そのほか、霊山英彦山(ひこさん)で修行を積んだ木練上人(もくれんしょうにん)が、阿蘇山に登った話もあります。

木練上人は神霊池の主を拝みたいと熱心に真言を唱えると、九頭八面の龍が現れたそうです。

その後さらに一心に祈ると、ついに十一面観音が現れたと言われています。

龍と観音様の組み合わせが興味深いですねエヘッ




日本に仏教が入ってくると、日本の神々は仏様がさまざまな姿で現れた化身(けしん)だという考え方が広がっていきました。

そして阿蘇においては、健磐龍命は十一面観音の化身だというふうに考えられました。

西巌殿寺(さいがんでんじ)の山上本堂で祀られていた十一面観音(平安時代後期作)は現在、熊本県立美術館に委託されていますので、タイミングが合えば拝観することができるでしょう。


『阿蘇の中岳の火口 ☆ 姿が変わる神様』





私も神聖な火口に行ってきました。


『阿蘇の中岳の火口 ☆ 姿が変わる神様』


荒涼とした山の雰囲気の中に、美しい色をした火口の湯だまりが見えます。

水蒸気も絶え間なく上がり、阿蘇山は活火山なんだなあと感じます。


『阿蘇の中岳の火口 ☆ 姿が変わる神様』




龍の姿を拝したく、火口に意識を集中すると、金色に輝く美しい龍神様が現れました。

そして火口から飛び立ち、楽しそうに生き生きと外輪山を周遊してまた火口に戻ってこられます。

その神々しさに、有難さと嬉しさとがこみ上げてきます。

健磐龍命~十一面観音~龍神と姿を変える阿蘇の主に、感謝の気持ちを伝えました。


『阿蘇の中岳の火口 ☆ 姿が変わる神様』


阿蘇登山道路を下りてくると、有名な観光地スポットである「草千里(くさせんり)」と呼ばれる草原があります。

馬に乗ってその草原を歩くこともでき、また烏帽子岳(えぼしだけ)登山の入り口にもなっています。

その草原を見下ろす場所にレストランやお土産店などが並んでいますが、その一画に「阿蘇火山博物館」があります。


『阿蘇の中岳の火口 ☆ 姿が変わる神様』



ここで阿蘇山の成り立ちなどを知って、それから火口を見たり、阿蘇山全体をながめたりすると、また感慨深いものがあると思います♪

地球の鼓動を感じさせる阿蘇、とても魅力的です☆


阿蘇山関連記事はこちらDOWN






2018/10/27
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Posted by スターエンジェル at 20:59│Comments(0)聖地探訪
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