『魂は調和から生み出されるもの?』

スターエンジェル

2016年03月11日 20:54



みなさんこんばんは☆
東日本大震災から丸5年が経ちましたね。
犠牲になられた方々のご冥福を心よりお祈りします。


今日は『パイドン』(プラトン著・岩田靖夫訳・岩波書店)の中からソクラテスの弟子であるシミアスの反論の部分を取り上げたいと思います。(同書P92~)

ソクラテスの“魂は肉体が存在する以前から存在しているものであり、不滅である”との考えに対して、シミアスが反論します。
それは、魂とは竪琴や弦から生み出される和音と同じような「調和的なもの」ではないかと。
ひとたび竪琴が壊れたり、弦が切れたりしたならば、和音(調和)も滅びてしまうので、人間においても肉体が滅びたら魂も一緒に滅びるのではないかという反論です。

それに対してソクラテスが答えます。
魂が調和であるならば、魂を作っている要素(人間であれば肉体な構成要素、和音であれば竪琴や弦)には決して反対することはできずに、魂はそれらの要素に随って(したがって)いくことになるだろう。

しかし魂は肉体に随うものではないことをホメロスの詩を引用して説明しています。
(同書P117~)
「彼は胸を打ち、自分の心をこう言って叱った
 耐え忍べ、わが心よ、お前は昔もっと恥ずかしいことに耐えたではないか」

魂は肉体のいろいろな要素や状態に引きずり回されるものではなく、反対に引きずり回すものであり、要素や状態の主人となるものであり、調和というような在り方のものよりは、はるかに神的ななにものかである、と。

たとえば肉体の中に熱と乾きがある時に、魂は反対の方へ、つまり、飲まない方へと引っ張るのであり、飢えが内在する時には、食べない方へと引っ張るのであるとも言っています。

これは何も過酷な修行を勧めているわけでも、自殺を勧めているわけでもありませんね。
肉体の欲望に引きずり回されるのではなく、魂が肉体を支配するのであり、魂にとって正しいことのためには肉体からの要望とは反対のことをする必要もあるということでしょう。


ソクラテスの説明にシミアスも同意しました。
シミアスの理論の“魂は調和的なものである”という前提が見直されたと言えますね。


魂が肉体と共に滅びるのでないということは、先の大震災でお亡くなりになったたくさん
の方々の魂や動物たちの魂も存在し続けているということになります。
たくさんの魂が今生きている私たちを見守ってくれていると思います。
ご冥福をお祈りするとともに、今、そしてこれからの自分自身の生き方について改めて見つめてみたいと思います。

今日も最後まで読んでくださいまして、ありがとうございましたm(__)m
すべての魂が宇宙の恵みと共にあることを祈ります☆




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