あけましておめでとうございますにっこり

2019年が皆様にとって、素晴らしい年となりますように星



さて、話は変わりますが伊勢神宮内宮の別宮(べつぐう)で、近鉄五十鈴川駅から10分程度歩いたところに『月読宮(つきよみのみや)』が鎮座しています。


『月読宮 ☆ 沈黙の美』


ご祭神は、月読尊(つきよみのみこと)と月読尊の荒御魂(あらみたま)、そして伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)です。

月読尊は、伊弉諾尊と伊弉冉尊が天照大御神(あまてらすおおみかみ)の次にお産みになった神様ですから、天照大御神の弟神とも言われています。

『月読宮 ☆ 沈黙の美』


境内はとても静かで、神聖な雰囲気が漂っています。

社殿は、横に4つの社が並んでいます。


『月読宮 ☆ 沈黙の美』


向かって右から順に、月読尊の荒御魂→月読尊→伊弉諾尊→伊弉冉尊がそれぞれの社に祀られていますが、参拝の順番としては、右から2番目の月読尊から始めて、月読尊の荒御魂⇒伊弉諾尊⇒伊弉冉尊となっています。

親子で祀られているということですね。

月読尊は、「月の満ち欠けを教え暦を司る神」と伊勢神宮のHPに書いてありますが、とても重要な神様ですね☆





ところで、月読尊について、臨床心理学者の河合隼雄さんが興味深い指摘をされています。

月読尊は天照大御神と素戔嗚命(すさのおのみこと)と兄弟ですが、古事記などにもあまり出てこないため、他の2柱の兄弟神のようには有名ではありません。

天照大御神=月読尊=素戔嗚命と3貴子が並ぶと、真ん中の月読尊の存在が謎に包まれていますが、それは“中空(ちゅうくう)の構造”であると河合さんは指摘しています。

他にも同じような例があり、例えば海幸彦(ホデリノミコト)と山幸彦(ホオリノミコト)の兄弟の話はよく知られていますが、同じく兄弟の火須勢理命(ホスセリノミコト)については、謎に包まれています。

さらに、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)と高御産巣日神(たかみむすひのかみ)、神産巣日神(かみむすひのかみ)は古事記において万物の生成の源となったと言われる三神ですが、その名前からして中心的存在であろうと思われる「天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)」については謎であるということなんですね。

これもまた三貴子の中の月読尊や火須勢理命(ホスセリノミコト)と共通するものがあるということですね。

これらのことから、河合さんは中心に無為(むい)の神をもつという、一貫した構造について、『これを筆者は「古事記」神話における中空性と呼び、日本神話の構造の基本的事実であると考えるのである。日本神話の中心は、空であり無である。このことは、それ以後発展してきた日本人の思想、宗教、社会構造などのプロトタイプとなっていると考えられる』と仰っています。
(『中空構造日本の深層』(河合隼雄著・中公文庫)P40~41より引用)

とても興味深い指摘だと思います。



以前お参りしたことのある広島の東照宮では、社殿の裏の方にいくつかの社が祀ってあり、その中に天之御中主神のお社がありました。

徳川家康公を祀る立派な社殿と比較すると、とても小じんまりとしたお社ですが、何かこれも天之御中主神の中空性を現わしているのかもしれません。

『月読宮 ☆ 沈黙の美』


河合さんは、『中心が絶対化されているならば、相容れぬものを周辺部に追いやってしまうが、中心が空である場合は、決定的な戦いを避けることができ、それは対立するものの共存を許すモデルである』といいます。(同P47~48参照)

別の言い方では、『中心が空であるために、そこへはしばしば何ものかの侵入を許すが、結局は時と共に空に戻り、また他のものの侵入を許す構造』とも。(同P48)

さらに『わが国が常に外来文化を取り入れ、時にはそれを中心においたかのごとく思わせながら、時がうつるにつれそれは日本化され、中央から離れてゆく。しかもそれは消え去るのではなく、他の多くのものと適切にバランスを取りながら、中心の空性を浮かび上がらせるために存在している』(同P49より)



例えば、日本における宗教というのは、神道や仏教、キリスト教その他いろいろな宗教・宗派が共存していますね。

それは中心が空であるために、一旦受け入れながらじわじわと消化されていき、次第に他のものと共存するような形になり、決して絶対的な存在にはならないということなのかもしれませんね。




月読宮は、神秘的な雰囲気があって、いいところだなあと感じましたが、その域内にある葭原神社(あしはらじんじゃ)の巨大な神木も、とても素晴らしいものでしたので、立ち寄って見られるのもいいかもしれません。


『月読宮 ☆ 沈黙の美』


夜空に輝く月を観て、月読尊と対話するのもいいですね








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Posted by スターエンジェル at 21:01│Comments(0)聖地探訪
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